大森靖子の『死神』と欅坂46の『黒い羊』

 2019年2月27日に欅坂46の8枚目シングル『黒い羊が』リリースされます。半年ぶりの新譜。待っていたよ!!発売日が近づくにつれて徐々に情報が解禁されてきています。表題曲の『黒い羊』のMVも公開されました。公式サイトから見ることができます。Youtubeには上がらないのかな。

www.keyakizaka46.com

 今回の曲は"欅ちゃんのカップリングがついに標題に!"というイメージ。エキセントリックや避雷針など、ちょっとダークな世界(曲)観を歌っている感じです。僕はとても好きです。初めて聴いたときの感想は「ベースがすごい」。

 MVですが、今回もセンターの平手友梨奈(以下てち)がメイン、主人公っぽいですね。ほとんど映っていないメンバーもいるくらい。扱いの差がすごいです。でも好き。我が推しのなーこちゃんも数秒ですがちゃんと映っています。かわいい。

 で、このMVが複雑すぎるというか見どころが多すぎるので1周見ただけじゃ物足りないんですね。意味深な場面も多すぎるので考察のしがいがあります。考察厨にはたまらない作品となっております。

 そこで。普段は滅多にしないんですが、考察してみました。ただ、他の人と被るのもアレなので…。超歌手である大森靖子ちゃんの『死神』という曲を使って考察してみます。

 

 というのも、『死神』の歌詞と『黒い羊』の歌詞、MVの場面が(個人的に)案外一致する部分が多いというか、 こういう考え方もできるなぁとなる場面が多々あったので紹介したくなりました。

 『死神』という曲、昨年発売のアルバム『クソカワPARTY』の収録曲で、ツアーでもしっかり披露されていました。聴けば聴くほどグッとくる曲になっています。1回ライブで聴いてほしい。感じてほしい。前にも書いたかもしれませんが、普段は自分のことを歌わない大森靖子ちゃんが初めて自分のことを歌った曲(と認識しています)になります。

 

 という訳でここから考察スタート!

 

 まず『黒い羊』のMV。自殺現場からはじまります。地面に自殺した跡、それに群がる(ほど人多くないけど)マスコミと野次馬。建物の中からはてちが彼岸花を持ってその様子を伺っています。このてち。これが死神であり天使と仮定しました。MVに出てくる他メンバーは自殺した人。人たち、ではなく人。複数形というよりも、単数の方がしっくりくるのはなんでだろう。現場の跡が1人だけだったからかな。

 てち以外の他メンバーは様々な役を与えられている様です。彼氏と喧嘩するふーちゃん、やけにスカジャンが似合う不良しーちゃん、疲れ切っていながらも自撮りで笑うみいちゃん(表情がすごく良い)…。この子たちが黒い羊であり、自殺した女の子。

 てちは多分タイムリープしています。暁美ほむらちゃんです。で、転生する度にいろんな女の子を助けてきて、助けられない子もいて、また転生して、繰り返すわけです。

 悩みを抱えた子は、助けに来たてちに対して反抗します。ここは『死神』の

違うんだ君を死の淵から 救いに来た僕天使なのに

おまえは死神だ と言われて それでもいいやと泣いている

状態ですね。でも、見方を変えるとみんな死神なのかもしれない。

 

君が幸せに生きるなら 僕はボロボロでかまわないと

身代わりになって何度も死んでたら 姿形はバケモノさ 

 悩んでいる子を救うためにハグするてち。突き飛ばす子もいれば、ハグを返してくれる子もいる。突き飛ばされたけど(ボロボロになりながらも)それでも救おうとするてちをハグしてくれる子います。いやでもMV見てると"僕は"てち以外のメンバーかな???誰かを幸せにするために自分がぼろぼろになって。みいちゃんの浴槽で泣いてるシーン(ここめちゃくちゃ好き)とかまさに。

 

見た目とか体裁とかどうでもいいて言って抱きしめてよ

いつか男とか女とか関係なくなるくらいに愛し合おうよ

  まさに。黒いとか白いとか関係なく、どうでもいいって言って抱きしめてよ。これは悩める子側の言葉でしょう。それを抱きしめるてち。素敵。黒とか白とか男とか女とか関係なくなるくらいに愛し合ってほしいものです。関係なくハグするてち。

 

おまえみたいなやつが子供を育てちゃいけないとか言われて

 白い羊から黒い羊への罵倒でしょうか。

 

いつか歴史が僕を正しいと証明したって意味がない

  死んだ後に評価されたって意味が無い。今、生きている自分を評価して欲しい。てちはみんなが自殺しちゃう前にハグして肯定しているのでしょう。正しいよ!って。生きているうちに評価されたいよね。評価したいよね。

 

僕をボロボロにしたすべて  僕はどうしても殺したくて

誰もはみ出さないクソ平和のため 僕だけが僕を殺してきたけど

 白い羊のふりをした黒い羊たちが、黒い羊をボロボロにしているのか。自分がいろいろを諦めて自分を殺したからそれも含めて殺したいのか。そうか、白い羊のふりをした黒い羊を殺すよりは自分を殺してクソ平和を守っていたのか。そうか!!!なんか気づいたら死神の考察になってきたぞ!

死んだように生きてこそ 生きられるこの星が弱った時に

(さあ!)反旗を翻せ 世界を殺める 僕は死神さ

 人を殺めるのではなくて世界を殺める死神。黒い羊のままで生きていい世界にしたいのかな。それがMVのラストのてちソロダンスなのかな。そんな世界ならくそくらえ、というダンス?????

川は海とひろがる 人は死へと溢れる

やり尽くしたかって 西陽が責めてくる

かなしみを金にして 怒りで花を咲かせて

その全てが愛に基づいて 蠢いている

  人はいつか死ぬんですねえ。自殺でも他殺でも病気でも寿命でも、人は死へと溢れるわけです。今日1日何もしなかったなあって日に、無駄な1日じゃなかったかい?って西陽に言われることありますよね。めちゃくちゃわかる。つらい。

投げつけた右腕は 君の君を探して

駆けつけたその足で 隕石を蹴散らして

世界の終わりなんて 僕たちはもうとっくに

みたことあったんだ そう 何度も負けたけど

  世界の終わりなんて~の歌詞がすごい好きで、さっきの暁美ほむらちゃんっぽさもあるし、『黒い羊』MVっぽさ(タイムリープ説)もあるし、それぞれの子の世界が終わっていくのを何度も見ていた的な。何度も負けたってことは救えなくて、それでも救いたくてみたいな!!!えも。

誰が審判をして 太陽を沈めても

僕が闘う場所で命が蠢いている

 そう、命が蠢いている。

 

 気がついたら『死神』の考察みたいになっていました。仕方ないね!!これ聴きながら『黒い羊』MVを見れば見るほど、みんな死神で天使なのかもしれないなあと思ったりして色んな解釈ができるなあ面白いなあ!という結論になりました。

 大森靖子ちゃんファンもぜひ『黒い羊』を聴いてほしいし、欅ちゃんファンもぜひ『死神』(だけと言わず大森靖子ちゃん)を聴いてほしいです。よろしくおねがいします。